顎関節の動き



口を開くとき、顎関節ではまず最初に下顎頭が少し回転し、つぎに下顎窩から外れて前に滑り出します。このときもし下顎窩から外れずに回転するだけだった場合、開口量は30cmほどにとどまってしまいます。しっかりと外れることで40〜50cmの開口量が得られるのです。

開口時には、下顎頭とともに関節円板も動きます。一緒に動く理由は、下顎頭は下顎窩の凹みや、関節隆起の出っ張りなどに沿って動くので、その際下顎頭と側頭骨の両方に強い圧力がかかります。この圧力を分散させるために関節円板が間に入って一緒に動くのです。

閉口時は下顎頭は後ろに下がって下顎窩の凹みに収まります。関節円板も一緒に後ろに下がって元の位置に戻ります。


■ 正常な顎関節の動き

・口を閉じた状態


・口を開いた状態



閉口時の関節円板の位置がずれると開口しづらくなり、また開口時、下顎頭が関節円板に乗るときにクリック音と呼ばれる音がするようになります。間接円板のずれがひどくなると今度は著しく開口がしづらくなって口が少ししか開かないといった症状も出てきます。


■ 関節円板がずれた状態

・口を閉じた状態


・口を開きかけた状態


・口を開いた状態

■ ずれがひどくなると

・口を閉じた状態


・口が開かなくなった状態



口の咀嚼時には開閉と同時にあごを左右に動かさなければいけません。このとき左右どちらかの下顎頭が下顎窩から外れ前に動き出し、もう一方が下顎窩に収まった状態になります。下あごを左に動かす場合は、右側の下顎頭が前に滑り出し、左側の下顎頭は下顎窩のなかにおさまっています。下あごを右側に動かすときは今度は逆に左側の下顎頭が前に滑り出して、右側の下顎頭が下顎窩におさまる状態になります。








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