顎関節症T型



顎関節症と関係のある筋肉で代表的なのが咀嚼筋と首すじから伸びる胸鎖乳突筋です。咀嚼筋は咀嚼するために必要な4つの筋肉からなります。こめかみ部分にある側頭筋、頬の部分にある咬筋、下顎骨の内側にある内側翼突筋外側翼突筋の4つの筋肉です。 側頭筋と咬筋、内側翼突筋は下顎骨を上に引っ張る働きを、外側翼突筋は前に引っ張る働きをします。





口をあける、口を閉める、左右に動かすなどの咀嚼運動では、動いているのは下顎だけです。下顎を上手に動かすことで、会話したり、食べ物を嚥下しやすい状態へと変化させることができるのです。この下顎を動かすために必要な筋肉が開口筋群と、閉口筋群です。

開口筋とは、口を開く際に働く筋肉です。開口は下顎を下に引っ張ることでなされるため、開口筋群は下顎骨と下顎の下に位置する舌骨とを結ぶ筋肉となります。顎舌骨筋オトガイ舌骨筋顎二腹筋が開口筋郡に当たります。ただしこれはあくまで原則で、これ以外の部位に属する筋肉も開口時に働きます。その一つが外側翼突筋です。外側翼突筋は下顎関節突起と上顎骨とを結ぶ筋肉で、収縮すれば下顎頭が、前に滑り込んで、結果的に口が開きます。

顎舌骨筋、オトガイ舌骨筋、顎二腹筋は舌骨の上に位置しており、またまとまって働くため、これらは 舌骨上筋群とも呼ばれます。





閉口筋とは、口を閉じる際に働く筋肉です。下顎と頭蓋骨、顔面骨とを結ぶ筋肉です。咬筋内側翼突筋側頭筋が閉口筋群に当たります。下顎を引っ張る働きがあるので、口が閉じます。

これら筋肉が、何らかの原因により、緊張して硬くなり、その部分の血管が収縮して血行が悪くなると痛みがでてきます。これを筋性の痛みといいます。この痛みは、鈍い痛みで、患者が痛む部位を特定しにくいといった特徴があります。漠然と顎周辺が痛いといったような症状です。

またトリガーポイントと呼ばれる触るとこりこりとしたしこりのようなものができることもあります。これは押すと痛みが出ます。トリガーポイントには関連痛という症状を伴うことがあり、関連痛とは、その部位から離れた場所、肩、首、頭部などに痛みが出る症状をさします。このことを筋・筋膜疼痛とも呼びます。例えば首部分にトリガーポイントがあるのに頭や背中の肩甲骨の裏辺りが痛いといった例です。トリガーポイントとそこから生じる痛みの部位(関連痛)というのは大体決まっているそうです。この部分にトリガーポイントがあるから、こことここに痛みがありますねっといった具合です。

開口障害は関節円板や靭帯の障害による症状とばかりに思われがちですが、筋肉が緊張して硬くなることから開口障害といった症状が発生することもあります。この場合、関節や靭帯自体にはなんら問題ないことも多いです。こうした症状を筋性の開口障害と呼びます。







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