関節腔洗浄療法




関節内で滑膜炎などの炎症が生じた場合に、それら炎症を取る目的で関節腔洗浄療法が行われます。通常滑膜炎などの炎症には、消炎鎮痛剤などでたいしょするのですが、炎症が慢性化してきて、関節腔内に炎症を起こす物質が多くなってくると、なかなか消炎鎮痛剤だけでは効果が持続しにくいです。普通ならそうした炎症物質は代謝されてなくなるものなのですが、慢性化しているとそういうわけにも行きません。そこで関節腔洗浄療法でそうした物質を一度洗い流すという治療法が取られる事があります。

関節腔洗浄療法は1時間程度のもので入院の必要もありません。効果がある場合は1回で聞いてくるので何度も受ける必要もありません。

関節腔洗浄療法の手順について説明します。まずは関節部に局所麻酔をし、ついで上関節腔に注射針をさして局所麻酔薬を注入します。痛みの原因が関節炎の場合、麻酔により痛みが消失しますので、ここで炎症が原因なのかどうかがはっきりします。

次にもう一つ注射針を指して、排出用のチューブを取り付けます。麻酔薬の時に指した注射針から、リンゲル液(点滴液水)を200ミリリットル以上流し込み、それが内部を洗い流して、もう一方の注射針から排出されます。最後に炎症を抑える目的でステロイド剤、もしくはヒアルロン酸製剤を注入して終了です。これらは自然に体内に吸収されます。

関節腔洗浄療法は、あくまで痛みの原因が関節腔内の滑膜炎などの炎症で、関節腔内に炎症を引き起こす物質が多く存在していて、消炎鎮痛剤では対処しきれない場合などに効果のある治療法です。痛みがそれ以外の原因に起因する場合には、それほど効果はきたいできないということになります。













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